FC2ブログ

日本部落史(31) 運動のゆきづまりと新たな展開

 今回は、『近代部落史』(黒川みどり、平凡社、2011)より部落の歴史についてまとめます。

1、地域改善対策協議会の意見具申

 (1)、意義

  ・同和対策事業が急速に推進され被差別部落の住環境が大きく改善してくると、逆に同和対策事業にかかわって不正の問題も指摘されるようになる。これに対して、昭和61年(1986)に総務庁に設けられた地域改善対策協議会が「意見具申」を行う。

 (2)、内容

  ・「同和地区の実態が相当改善された」とし、以下のような新たな問題が生じてきているとする。

   ①、民間団体に追随している行政の主体性の欠如

   ②、施策の実施が、「同和関係者」の自立、向上をはばんでいる

   ③、民間運動団体の「行き過ぎた言動」が「同和問題はこわい問題であり避けた方が良い」という意識を生み、さらにそれを利用してえせ同和行為が横行している

   ④、民間運動団体の「行き過ぎた言動」が、同和問題についての自由な意見交換を阻害している

2、新たな展開

 (1)、「部落民」とは何か

  ・同和対策事業の推進などによって部落民が部落外へ移動したり、部落外の人と結婚したりする機会が増えてくる。これに対して、「部落民」とは何かという「部落民」としてのアイデンティティーが問題となってきた。

 (2)、他の差別されている人々との連帯

  ・従来、差別の歴史はせいぜい被差別部落民、女性、アイヌ等しか取り上げられず、個別史としてしか語られてこなかった。しかし、在日韓国・朝鮮人、アイヌ、沖縄、障害者、ハンセン病回復者、性同一性障害者、同性愛者など広範な人々に視野が及び、さらに差別の全体的な構造としての歴史が語られるようになった。

 (3)、部落史の見直し

  ①、「政治起源説」の克服ないし再検討

   ア)、政治起源説とは

    ・被差別部落は江戸時代に権力が民衆支配の道具として意図的に作り出したものであるとする説。井上清は、独占資本が部落差別を利用・再生産してきたと指摘し、教育の現場でも広く受け入れられた。

   イ)、社会的意味

    ・政治権力が作り出したものが被差別部落とするので、行政闘争の展開や同和対策審議会の答申を引き出すうえで都合のよい説であった。

   ウ)、問題点
  
    ・同和対策事業が進展しても、民衆の差別意識はなかなかなくならなかった。よって、歴史をさかのぼって人々の民衆意識を問うことが必要となった。具体的には、中世の賤民に向けられた差別意識やケガレ観などの議論である。

  ②、被差別部落の「ゆたかさ」

   ア)、従来の被差別部落研究

    ・従来の被差別部落研究は、被差別部落がいかに権力によって差別されてきたのか、いかに「みじめ」で「悲惨な」生活を送っていたのかが強調されがちであった。

   イ)、被差別部落の「ゆたかさ」

    ・網野義彦の研究に触発されて、被差別部落を一種のアジールとみなし、被差別部落がもつ共同体の「ゆたかさ」を前面に押し出そうとする試みがなされるようになった。

   ウ)、良い点と問題点

    ・被差別部落の「ゆたかさ」を伝えることによって、被差別部落出身の者は自分の地域に誇りが持て、部落外の者も被差別部落の良い面を知って偏見を取り除くことができるのが良い点である。他方で、被差別部落がいかに差別をされてきたのかを伝えにくくなるのが問題点である。

 (4)、部落問題の人権一般への解消

  ①、行政側

   ・行政側において同和対策事業が終焉した後は、同和対策が人権対策に、同和教育が人権教育にとってかわられた。

  ②、民間

   ・大阪にある部落解放研究所は、平成10年(1998)に20周年を機に部落解放・人権研究所と名称を改め、機関紙も平成14年(2002)に『部落』から『人権と部落問題』に改題された。

スポンサーサイト
FC2公認の男性用高額求人サイトが誕生!
稼ぎたい男子はここで仕事を探せ!
デリヘルもソープもイメクラも気に入った子がきっと見つかる
超大型リニューアル中の大好評風俗情報サイト!