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日本右翼運動史(14) 現在の右翼運動

 今回は、『右翼の言い分』(アスコム、宮崎学、2007)の宮崎学氏と猪野健治氏の対談より、現在の右翼運動がどのようになっているのかにつていまとめます。

1、現在の右翼運動の「敵」とは?

 (1)、敵の必要性

  ・組織が強くなる唯一で絶対の要素というのは敵の存在である。敵と対立して争う、その緊張感があるから組織が強くなっていく。

 (2)、冷戦終結以前の右翼の敵

  ①、意義

   ・戦後の右翼の一番の特徴は親米・反ソ路線であった。そして、この親米・反ソ路線を一番最初にうちたてたのが大日本愛国党の赤尾敏氏である。この赤尾氏の路線がわかりやすかったので、社会主義体制が覆る、冷戦の終わり直前までこの路線が続いた。

  ②、反共インターナショナリズム

   ・1966年、6大陸90以上の支部をもつ世界反共連盟が韓国で結成される。世界基督教統一神霊教会(統一教会)の創設者文鮮明のかかわりが深いといわれる。国際勝共連合が日本で組織されると、1970年には日本で世界反共連盟の大会が開催された。

 (3)、現在の右翼の敵
  
  ①、意義

   ・冷戦終結と同時に、反共インターナショナルというのが崩壊し、今まで親米・反共でやってきた既存右翼は敵がいなくなってしまい、自分達の路線を見失ってしまった。

  ②、現在の右翼の敵と想定できるもの

   ・一水会の木村三浩氏は「アメリカグローバリズムが世界制覇を狙っている。その最も根っこにあるのが日本だ。これに対して我々は抵抗しなきゃいかん」と主張しているように、反共から反米を軸とした新しいナショナリズムを高揚させる運動を日本の右翼民族派が行うことが想定できる。

  ②、新しい右翼の出現

   ・櫻井よしこ氏のように雑誌やネットで、既存の右翼民族派よりも過激は発言を行う人たちが出てきた。これらの人たちは、アメリカを意識した上で、イスラムや中国、あるいは韓国を敵だという考えを持つ。

2、資金

 (1)、冷戦終結以前の右翼

  ・戦後の右翼は親米・反ソ路線であり、財界は親米で共産主義勢力に物理的に対抗できる集団が欲しかったので、企業の側が右翼団体に資金を供給した。例えば、右翼団体が日教組大会に抗議に行くために街宣車でいくとか企業に言うと、奉加金(寄付金)を年会費とかで出してくれた。

 (2)、現在の右翼

  ・冷戦が終結し、アメリカ企業が日本へ進出するようになると、一番の邪魔になるのが総会屋であった。よって、商法改正が行われ彼らは排除されてゆく。企業は右翼団体に資金を出さなくなり、右翼団体は資金を得る手段がなくなっていった。

3、言論

 (1)、冷戦終結以前の右翼

  ・戦後の言論界は圧倒的に左翼の時代であった。右翼は「右翼反動暴力団」とか「右翼暴力テロ集団」などとマイナスのイメージで語られたのに対して、左翼は「左翼革新民主主義」とプラスのイメージで語られた。右翼が思想として取り上げられる機会はなったくなく、マスコミが取り上げるのは、恐喝とか、何か刑事事件を起こしたときに「右翼団体代表逮捕」というような場面しかなかった。

 (2)、現在の右翼

  ・現在の右翼も言論空間が十分に与えられているとは言えないが、直接行動ではなく言論で活動していこうという団体も生まれてきている。

4、リーダー

 (1)、冷戦終結以前の右翼

  ・左翼の場合は会議を開いて決議して行動を決めるといったことを行うが、右翼の場合はカリスマ性があるリーダーがいてその人の人格にほれてついていくという思想的信頼性よりも人間関係の信頼性でつながっている側面がある。よって、左翼はちょっと理屈が違ったり言葉が違うだけで殺し合いに発展する場合もあるが、右翼の場合はリーダーに心酔した連中が集まるわけであるので違いは当たり前で相互扶助的である。

 (2)、現在の右翼

  ・現在の右翼はこのようなカリスマ性があるリーダーが不在である。

5、取り締まり

 (1)、冷戦終結以前の右翼

  ①、意義
  
   ・以前の右翼やヤクザは権力側の暴力装置として利用されていた。

  ②、具体例

   ・大正8年に結成された大日本国粋会は、社会主義運動の高まりと労働争議に力で対抗するために、時の内務大臣床次竹二郎の提唱で全国のヤクザや土木関係の親分を集めて結成された、任侠右翼と右翼の大連合第一号の組織である。大正10年には政友会色の強かった大日本国粋会に対して、憲政会系の大和民労会が土建系ヤクザの河合徳三郎親分を中心に結成される。これらは、政党がヤクザに右翼団体を名乗らせて、暴力装置として利用した典型例である。

 (2)、現在の右翼

  ①、意義

   ・左翼は弱くなったことによって、権力の側はいままで利用してきた右翼を取り締まるようになる。

  ②、具体例

   ・地方公共団体は騒音防止条例を制定し、例えば拡声器から10メートル離れた地点で85デシベルを越える音を生じさせる行為を禁止するなど、拡声器騒音を規制するようになった。この規制に違反すると中止を命令され、言うことを聞かないと逮捕され罰金10万円と街宣車が押収されてしまう。よって、現在の右翼団体の街宣車は、騒音を規制値のギリギリに抑えて対策をする場合が多い。また、国会議事堂や外国公館などの周辺地域では「静穏保持法」によって規制されている。

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